タミフルはインフルエンザA型・インフルエンザB型の治療法として広く知れ渡っている薬ですが、昨今話題になっている新型インフルエンザへの効果については疑問視する声が強くなっています。
新型インフルエンザというのは通常のインフルエンザウイルスが変異することによって生じるものであり、2014年には「H1N1亜型インフルエンザ」と呼ばれるタイプのウイルスが流行を見せました。
幸いこのH1N1亜型に対してはタミフルが有効に作用したために問題はありませんでしたが、2008年に流行したAソ連型はタミフルに対しての耐性を有しており、日本国内では14検体のうち13検体がタミフルへの耐性を持っていることが明らかになりました。
また2004年に流行を見せたH3N2型も同様に耐性を持つウイルスが確認されていたことを踏まえると、2004年から2008年までの間に耐性を持つウイルスの数は増加したと判断できます。
こうした耐性の獲得はタミフルがよく利用されるインフルエンザ治療薬であるために生じたことであり、今後もタミフルに対して耐性を持つインフルエンザウイルスが登場する可能性は極めて高いとされています。
特に日本という国は世界的に見て最もタミフルを利用する国であるだけに、ひとつの薬に依存しているとインフルエンザが流行した際に対処が遅れてしまう恐れがあります。
一応新型インフルエンザであっても別種のインフルエンザ治療薬であるリレンザが効果的に作用しますから全く対策手段がないわけではありませんが流行初期段階などだとデータの不足によって耐性があることを予想できずにタミフルが処方される可能性はありますから、インフルエンザに関しては常にニュースなどで動向を確認し、その時々で適した対処を選ぶように心がけてください。
また、シーズンに備えて通販を利用してリレンザを個人輸入するなどしてタミフルを常備しておいたり、より詳しい情報サイトでタミフルについての知識をつけておくことも大切です。